Web会議中に自分だけ映像がカクついたり、声が途切れたりして気まずい思いをしたことはありませんか?
「光回線なのになんで遅いの?」「乗り換えたら改善する?」と悩む前に、まずは原因を順番に切り分けてみましょう。回線の乗り換えは最後の手段です。無料でできる見直しで解決できるケースが意外と多いです。
この記事では、在宅ワークの回線が不安定なときに「何から確認すべきか」を上流から順番に整理します。
※通信速度はベストエフォートであり、環境により異なります。「◯◯すれば必ず速くなる」という保証はありません。本記事は一般的な切り分け手順を紹介するものです。
まず知っておく:遅い原因は1つじゃない
Web会議が重い・ネットが遅い原因はいくつかあります。大きく分けると「回線」「ルーター」「Wi-Fi環境」「PC」「相手側・サービス側」のどこかにボトルネックがある状態です。
よくあるのは「回線のせいだと思って乗り換えたら、実はルーターが原因だった」というパターンです。乗り換えには工事や解約金が伴うこともあるため、まず無料でできる切り分けから始めるのが最短ルートです。
| 確認する場所 | コスト | 効果が出やすいケース |
|---|---|---|
| 速度測定・有線切り替え | 無料 | まず全員やる |
| Wi-Fi環境の見直し | 無料〜数千円 | 集合住宅・広い間取り |
| ルーターの見直し | 数千円〜 | 古いルーター・接続台数が多い |
| 接続方式(IPoE)の変更 | 多くは無料 | 夜間に特に遅くなる |
| 回線・プロバイダの乗り換え | 工事費・解約金あり | 上記で改善しない |

STEP1 現状を測る(無料)
速度測定サイトで実効速度を測る
まずは「fast.com」や「Speedtest by Ookla」などの速度測定サイトで、実際の通信速度を確認しましょう。確認する指標は4つです。
- 下り(ダウンロード): 動画視聴や資料ダウンロードに影響
- 上り(アップロード): Web会議の映像・音声品質に直結。ここが詰まると相手に聞こえにくくなる
- Ping(応答速度): 数値が低いほど良い。20ms以下が快適の目安
- ジッター: Pingのブレ。小さいほど安定。Web会議では特に重要
Web会議で重要なのは「最大速度」ではなく「上りの安定性」です。下り100Mbpsあっても上りが5Mbps・ジッターが大きいと映像が乱れます。
有線と無線で測り比べる
PCをLANケーブルでルーターに直接つないで同じ速度測定を行い、無線との差を比較します。
- 有線で速い → 無線で遅い: Wi-Fi環境が原因(STEP2へ)
- 有線でも遅い: ルーターか回線が原因(STEP3〜5へ)
- 有線でも無線でも速い: PC側か相手サービス側の問題の可能性あり
STEP2 Wi-Fi環境を見直す(無料〜数千円)
ルーターの置き場所
ルーターの設置場所は電波の届き方に大きく影響します。できれば避けたい場所は次の通りです。
- 床置き(電波は横方向に広がるため高い位置が有利)
- 棚の裏や扉の中(遮蔽物が多い)
- 電子レンジ・コードレス電話の近く(2.4GHz帯の電波干渉が起きやすい)
- 金属製のラックや水回りの近く
作業部屋とルーターが離れている場合は、なるべく中間地点の高い位置に移動させるだけで改善することがあります。
2.4GHzと5GHzの使い分け
ほとんどのルーターは2つの周波数帯を持っています。
- 2.4GHz: 壁を通りやすく広範囲に届くが、干渉を受けやすく速度は低め
- 5GHz: 速いが距離・壁に弱い。同じ部屋なら5GHzが安定しやすい
作業部屋でルーターと同室 or 隣室なら5GHz帯に固定するのが基本です。スマートフォンやスマート家電など他のデバイスは2.4GHzに分けると干渉が減ります。
チャンネルの混雑(集合住宅で起きやすい)
集合住宅では近隣のルーターと同じチャンネルを使っていることがあり、干渉が起きて速度が落ちます。ルーターの管理画面からチャンネルを変更するか、「自動」に設定して空きチャンネルを選ばせると改善することがあります(機種によって操作方法が異なります)。
それでも届かないなら中継機・メッシュ
ルーターから遠い部屋や、間取りが複雑で電波が届きにくい場合は中継機やメッシュWi-Fiが選択肢です。詳しい選び方はこちらをどうぞ。

STEP3 ルーターを見直す(数千円〜)
有線でも速度が出ない場合、ルーター自体がボトルネックになっているケースがあります。特に5年以上前のルーターはWi-Fi 5(802.11ac)以前の世代で、同時接続台数の上限が低かったり、有線ポートが100Mbpsどまりだったりします。
確認すべきポイントは次の通りです。
- 有線ポートの速度(100Mbpsか1Gbps以上か)
- 同時接続台数の上限(接続機器が多い家庭向けはWi-Fi 6が有利)
- Wi-Fi規格(Wi-Fi 5以前なら買い替え候補)
ルーター選びの基準については以下でまとめています。
STEP4 接続方式を見直す(多くは無料)
IPoE / IPv6 接続にする
夜間など混雑する時間帯だけ極端に遅くなる場合、接続方式が原因の可能性があります。
多くの光回線はPPPoE(旧来の接続方式)を使っていますが、この方式は特定の折り返しポイントで混雑しやすい性質があります。IPoE(IPv6接続)に対応したプロバイダ・ルーターの組み合わせなら、その混雑を回避しやすくなります。
ただし以下の点には注意が必要です。
- 「v6プラス」「transix」など、名称はプロバイダによって異なる
- IPoEにすれば必ず改善するわけではない(効果は環境次第)
- 対応ルーターへの交換が必要な場合がある
- まず契約中のプロバイダに確認するのが最初の一歩
STEP5 それでもダメなら回線そのものを見直す(最終手段)
上記のSTEP1〜4を試しても改善しない場合、初めて回線やプロバイダの見直しを検討します。
特にマンションで「マンションタイプ」の光回線を使っている場合、建物内の配線方式(VDSL等)が上限になっていることがあります。この場合、プロバイダを変えても根本的な改善は難しく、マンション自体の設備に依存します。
- マンション共用設備がVDSL方式 → 戸建て用光コンセントへの変更が必要な場合も
- 戸建てで「フレッツ光ネクスト」の古い契約 → 「フレッツ光クロス(10Gbps)」への変更を検討できる
- プロバイダの品質に問題 → プロバイダだけの変更(転用・事業者変更)で改善することも
光回線の乗り換えには工事費・解約金・開通までの期間が伴うことがあります。プロバイダの具体的なキャンペーン金額は変動が激しいため、最新の公式サイトや比較サイトで確認してください。
※当サイトでは提携審査が完了したプロバイダのみ紹介します。現時点では名称の言及に留め、リンクは省略しています。
Web会議を安定させる小ワザ
回線・Wi-Fi環境の見直しと並行して、PC側でできることも整理しておきます。
- PCをLANケーブルで有線接続する: もっとも確実な安定化。USBハブ経由でも可
- 不要なクラウド同期アプリを止める: Dropbox・Google Drive等の自動同期が帯域を食っていることがある。会議中は一時停止推奨
- カメラの解像度を下げる: ZoomやTeamsの設定からHDを720pや480pに落とすと上り帯域が半減近く下がる
- ブラウザのタブを閉じる: 大量のタブが帯域やCPUを消費することがある
- 他のデバイスの通信を一時減らす: 会議中に家族がNetflixや大容量ダウンロードをしていないか確認
また、ノートPCが高負荷で熱を持っているとCPU性能が下がり、映像処理が追いつかなくなることもあります。在宅環境のデスクワーク環境を整えるなら、こちらも参考にどうぞ。
Web会議の映像・音声品質を上げたいなら、Webカメラのアップグレードも選択肢です。
まとめ
在宅ワークの回線が不安定なときは、まず以下の順番で無料の切り分けから始めましょう。
- STEP1: 速度測定 → 有線と無線で比較
- STEP2: Wi-Fi環境の見直し(置き場所・周波数帯)
- STEP3: ルーターの世代・スペックの確認
- STEP4: 接続方式(IPoE)の確認
- STEP5: それでもダメなら回線・プロバイダの見直し
Web会議で重要なのは「上りの安定性」です。カタログの最大速度ではなく、上りの実効速度とジッターが快適さを左右します。いきなり乗り換えを選択する前に、無料でできる切り分けから順番に試してみてください。
ルーターの選び方についてはこちらをどうぞ。



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