家のWi-Fiルーター、買ってから一度でも設定画面を開いたことありますか?
見守りカメラやスマートスピーカー、紛失防止タグなど、家の中のガジェットはどんどん増えています。
今回は、ガジェット好きのエンジニア目線で、Wi-Fiルーターの選び方と、身の回りのガジェットで気を付けたいセキュリティを、実際の事例とあわせて解説します。
- ルーターが乗っ取られると何が起こるのか
- セキュリティで見るべきWi-Fiルーターの選び方5つ
- 見守りカメラなどのIoT機器、スマホ・PC、紛失防止タグの注意点
- 外出先のWi-FiとUSB充電の注意点
ルーターが乗っ取られると何が起こるのか
実際に起きたこと:2016年、「Mirai(ミライ)」と呼ばれるマルウェアが、世界中のネットワークカメラやルーターに感染しました。手口はシンプルで、工場出荷時のままのIDとパスワードでログインを試すだけ。乗っ取られた大量の機器が一斉に攻撃に使われ、アメリカでは大手サービスがつながりにくくなる大規模な障害が起きました。
日本でも、総務省とNICT(情報通信研究機構)が「NOTICE」という取り組みで、推測されやすいIDとパスワードのままのIoT機器を調べて、利用者に注意を呼びかけています。
ルーターが乗っ取られると:
- 自分の回線が、他人への攻撃の「踏み台」に使われる
- 偽のサイトに誘導されるように設定を書き換えられる
- 家の中のPCやカメラに、外から入られる入口になる
しかも、ルーターが乗っ取られても、ネットは普通に使えてしまうので気付きにくいのがやっかいなところです。

ルーターは家の「玄関」。玄関の鍵が初期設定のまま、はちょっと怖いよね。
セキュリティで見るべきWi-Fiルーターの選び方5つ
速度や電波の届く範囲ばかり注目されがちですが、セキュリティの面では次の5つを確認しましょう。
① WPA3に対応しているか
WPA3は、Wi-Fiの通信を暗号化する方式の最新版です。ひとつ前のWPA2より、パスワードの総当たりに強くなっています。2026年に買うなら、WPA3対応は必須と考えてOKです。スマホやPCが古くてつながらない場合は、「WPA2/WPA3」の混在モードを使いましょう。
② ファームウェアが自動で更新されるか
ファームウェアは、ルーターの中で動いているソフトです。脆弱性が見つかると、メーカーは修正版のファームウェアを出します。
ところが、手動更新だと、ほとんどの人は一度も更新しません。自動更新に対応した機種を選び、自動更新をオンにしておくのが一番確実です。バッファローなどの主要メーカーも、機種ごとに自動更新の案内を出しています。
③ メーカーのサポートがいつまで続くか
どんなルーターも、いずれサポートが終わり、ファームウェアの更新が止まります。10年前のルーターを使い続けている場合は、それだけで買い替える理由になります。メーカーのサイトで「サポート終了製品」の一覧を確認してみましょう。
④ 管理画面のパスワードを変えられるか
ルーターには、Wi-Fiにつなぐための「暗号化キー」とは別に、設定画面にログインするためのパスワードがあります。Miraiのように狙われるのはここです。最近の機種は初期パスワードが1台ごとに違うものが多いですが、必ず自分で変更しておきましょう。
⑤ ゲストネットワーク(ネットワーク分離)があるか
来客用やIoT機器用に、メインとは別のネットワークを作れる機能です。見守りカメラやスマート家電は、ゲストネットワーク側につないでおくと、万一乗っ取られてもPCやスマホに入られにくくなります。
ちなみに、5,000円台でWPA3に対応したルーターもあります。
▶ TP-Link Archer AX23V レビュー|WiFi6×5000円台の最強コスパルーター

ルーター選びで「セキュリティ」を見る人は少ないけど、実は一番長く効いてくるポイントなんだ。
今使っているルーターで、今日やること
買い替えなくても、設定を見直すだけでかなり安全になります。
- 管理画面のパスワードを、初期値から変更する
- ファームウェアを最新にし、自動更新をオンにする
- Wi-Fiの暗号化をWPA3(またはWPA2/WPA3)にする
- WPS(ボタンを押すだけで接続できる機能)を、使っていなければオフにする
- 外部から管理画面に入れる「リモート管理」をオフにする
- IoT機器はゲストネットワークに分ける
ルーターの選び方そのものは、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 【2026年版】Wi-Fiルーターの選び方|規格・速度・間取りで失敗しない選び方

管理画面って、ブラウザで「192.168.」から始まるアドレスを開けば入れることが多いよ。説明書かルーター本体のシールを見てみてね。
見守りカメラ・スマート家電の注意点
ネットワークカメラは、家の中を映す機器です。乗っ取られると、家の中が丸見えになってしまいます。
なぜ乗っ取られるのか:
- 初期パスワードのまま使っている
- カメラのファームウェアを更新していない
- アプリのアカウントのパスワードを、他のサービスと使い回している
対策:
- アプリのアカウントに、使い回していないパスワードと2段階認証を設定する
- カメラのファームウェアを自動更新にする
- 寝室など、映したくない場所には向けない。使わないときはプライバシーモード(レンズを隠す機能)を使う
- 安すぎる無名メーカー品より、更新が続いているメーカーを選ぶ
見守りカメラは、このブログでもTapoシリーズをレビューしています。
▶ Tapo C200レビュー|3千円台で十分?C210との違いと選び方

カメラは便利だけど、映してる場所が場所だけに、ルーター以上にちゃんと守りたいね。
スマホ・PCを落としたときに備える
ガジェットのセキュリティで一番身近なのは、実は「紛失・盗難」です。
スマホ:
- 画面ロックは、6桁以上のPINか生体認証にする
- iPhoneは「探す」と「盗難デバイスの保護」、Androidは「デバイスを探す」と「盗難防止機能」をオンにする
- 2段階認証のSMSを、ロック画面に表示しない設定にする(盗まれたスマホで認証コードを見られるのを防ぐ)
PC:
- ストレージを暗号化する(WindowsはBitLocker/デバイスの暗号化、MacはFileVault)
- 「探す」機能をオンにしておく
- スリープ解除にもパスワードを必須にする
ストレージを暗号化しておけば、PCを盗まれて中のSSDを抜かれても、データは読めません。

暗号化って難しそうに聞こえるけど、今どきは設定画面でオンにするだけだよ。
紛失防止タグの「便利」と「悪用」
AirTagのような紛失防止タグは、財布や鍵に付けておくと本当に便利です。
一方で、他人のカバンにこっそり入れて、居場所を追跡するという悪用も問題になりました。
今は対策が進んでいて、自分の物ではないタグが一緒に移動していると、iPhoneにもAndroidにも通知が届く仕組みになっています。
もし「AirTagが近くにあります」のような通知が来たら、無視せずに確認しましょう。身に覚えがなく、身の危険を感じる場合は、警察に相談してください。
▶ AirTag第2世代は何が変わった?「1.5倍」が日本で使えない話と買い替え判断
▶ Eufy SmartTrack Card E40 レビュー|財布に入るカード型紛失防止トラッカー

便利な道具は、悪い使い方もされる。通知が来たら「気のせい」で済ませないことだね。
外出先のWi-FiとUSB充電の注意点
フリーWi-Fi:カフェや駅のフリーWi-Fiの中には、暗号化されていないものや、本物そっくりの名前の「偽アクセスポイント」が紛れていることがあります。
- 名前が似ているWi-Fiに、うっかり自動接続しない設定にする
- 仕事やお金に関わる操作は、フリーWi-Fiではやらない
- どうしても使うときは、VPNで通信を暗号化する
▶ 【2026年版】VPNおすすめ3選!スイカVPN・NordVPN・MillenVPNを徹底比較
公共のUSB充電ポート:空港やカフェのUSBポートに細工をして、つないだスマホからデータを抜く手口(ジュースジャッキング)が注意喚起されています。実際の被害報告は多くありませんが、自分の充電器とケーブルを持ち歩くのが一番確実です。

自分の充電器を持ち歩くのは、セキュリティ的にも正解なんだよね。
まとめ
ガジェットのセキュリティは、難しい知識よりも「初期設定のままにしない」「更新を止めない」が一番効きます。
- ルーターの管理画面のパスワードを変えた
- ルーターとカメラのファームウェアを自動更新にした
- Wi-FiはWPA3(またはWPA2/WPA3)にした
- IoT機器はゲストネットワークに分けた
- スマホとPCの「探す」機能と、PCの暗号化をオンにした
- フリーWi-FiではVPNを使う
個人でできるセキュリティ対策の全体像は、こちらにまとめています。
▶ 個人情報の流出・乗っ取りを防ぐセキュリティ対策まとめ|エンジニアが優先度順に解説

まずはルーターの管理画面を開くところから。5分でできるから、今日やってみよう!

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